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前橋市では、国保料滞納世帯のうち90%以上が差押えを経験
   〜中央社保協が滞納処分差押え問題西日本集会を開く〜
4月2日(土)、岡山市のおかやま西河原プラザにて、中央社保協、近畿ブロック、中国ブロックの主催で全国クレサラ・生活再建問題対策協議会、全国クレサラ・生活再建問題対策被害者連絡協議会との共催で滞納処分差押え問題西日本集会が開催された。
 「差押えの法的根拠と判例、地域でのたたかいのヒント」と題した楠晋一氏(弁護士)の基調報告と「異常な市税の徴収」と題した仲道宗弘氏(司法書士)の前橋市の実態報告に、中国・四国を中心に集まった参加者145人は聞き入った。
報告の要旨は次のとおり。
 滞納処分とは、公債権(税金、国保料など)について滞納が生じた場合に、行政が行う滞納税金等を回収するために行う一連の手続きで、債権→納付期限の徒過→督促→財産調査→差押え通知→差押え→換価という流れで行われる。
 督促を受けても払えない場合は、「納税緩和制度」の利用を考えるが、納税期限の延期や猶予等は条件が厳しく使い辛く、「滞納処分をすることができる財産がない、生活を著しく窮迫させるおそれがある」場合に、行政が職権で行うことができる滞納処分の停止を求めて行くことになる。
当然、差押えできる財産は決まっている。がしかし、行政のなかには差押え禁止債権が振り込まれる預金口座を差押えをしてくるケースもある。広島高裁の鳥取児童手当事件の判決を知らせ、こういった差押えをさせないようにしなければならない。
整理回収機構の様な徴収体制になると、滞納者の生活立て直しより徴収を気にして、福祉との連携がなくなり、機械的な差押えとなる。
支援団体では、まずは実態をつかむ、個別事例を沢山つかみ。滞納者が泣いている事例が不適切な個別事例なのか、違法性を見極める。そうして事例を数多く集めれば、制度の問題点がみえてくる。行政からデータを貰い、分析しつつ、定期的に意見交換、情報交換をすることも重要である。制度改善のための議員との連携もかかせない。
前橋市は人口34万人にもかかわらず、年間1万件を超える差押え件数がある。国保料滞納世帯のうち90%を超える差押え件数で、脱法的にもみえる呼び出し手段としての差押えを行い、弁護士や税理士以外の立会いを拒否して、滞納者から承諾書をとって取り立てを強めている。とても滞納者の意思を尊重しているとは言えないやり方である。
また、生活保護を受給しても、財産調査中との理由で、滞納処分の停止を行なわず、過去の滞納を少しでも納付させた事例もあり、まさに徴収が先にありきである。